コンプレックスのかまたり22〜過去の私へ。。。〜

  • 2008/08/14(木) 00:17:35


『過去の私へ。





ごめんね。




やっぱり、未来の私も幸せになることができなかったよ。




あの時、あなたは未来の私を信じて、
必死に耐えてくれたけど




頑張って勉強して入った学校では、即無視、
またブタ呼ばわりされて


勉強もビリ、


担任には退学を勧められるし


唯一の心の救いもなくなったんだ。





本当にごめんね。



私は、もう生きることに疲れたんだ。






もう生まれ変わりたくなんかないけれど



もし生まれ変わったら



次こそは幸せになってね。









そして、お父さん



お母さん




こんな親不孝な娘でごめんなさい。



でもね、

私は、こんな辛い人生なら



生まれてこなくてよかった。




早く楽になりたいよ。

















もう、こんな人生やだよ。







みんな、さようなら。。。』









人がほとんどいない駅のホーム。




朦朧とする意識の中、




白線の内側に足を入れる。





今までの、たった16年ぽっちの思い出が
走馬灯のように頭の中を駆け巡る。



お父さん、お母さん



おじいちゃんにおばあちゃん、


いとこの、お姉ちゃんたち。。

みんな笑顔で



『みっこちゃん』

『みっこ』


私を呼んでくれている。




右手側には、特急電車がすぐそこまで接近していた。





よし、今だ。







今、ここに飛び込んだら、きっと私は楽になれるんだ。




力を入れて、ギュッと目を瞑る。

















そして、飛び込もうとした瞬間、







『ちょっと待って!!』






叫ぶ声。










引き止めたのは、







他の誰でもない。








もう一人の自分だった。






『待って。



確かに今は辛いかもしれない。



だけど、私が死んでも


私を苦しめた奴らは、もう翌日にはケロッとして




数年後には良い人に変わって、

私のことなんか忘れて、楽しい人生送るんだよ?



そんなの悔しくない?!





それなのに、私を愛してくれた親は、



一生苦しんで生きていかなきゃいけないんだよ?



なんかおかしいよ。






だったら






だったら、




私を今苦しめてる人たち、誰よりも幸せになって





「ざまーみろっ!」


って見返してやろうよ!







ねぇ、






まだ16歳なんだよ。






まだ未来はあるじゃない!』











『サ−ッ』



強い風と共に、通り過ぎる電車。





やっぱり私は生きたい。










生きて、絶対に見返してやるんだ。






その瞬間、今までの弱気な自分は死んだ。








大丈夫。




一度、死を目の前にすると


人間は怖いものなどなくなる。



私には今は何もない。



友達もいないし、頭もない、



恋人もいなければ、美貌もない。





今がどん底。







つまり、もう上がるしかないんだ。












『不幸の神よ、かかってくるならかかってこい!』














誰も、助けてなんかくれない。



自分を助けてるのは、




自分自身なんだ。








春の空は青く、澄み切っていた。

コンプレックスのかまたり21〜みなさんさようなら〜

  • 2008/08/10(日) 23:23:12

そうか。



そうだったんだ。




何もかも悟って
一人、泣きながら駅へと向かう。




「人を好きになると、誰にも優しくなれるよね」





さっき、紳士君が嬉しそうに言っていた。





そういえば、紳士君が私に新聞紙を取ってくれたあの時



後ろでは、江藤さんが友達と仲良く教室を掃除していた。




私が紳士君に向けて、必死で英語のスピーチしていた時


紳士君は、私のすぐ後に並んでいた、
次に発表する江藤さんの方を真剣に見つめていたんだ。




そして、私がアドレスを聞いたあの日


躊躇したのは、
紳士君の斜め前の席にいた江藤さんを気にしていたからだ。






そう考えてみると、
どれもがその

『人を好きになると、優しくなれる』


の、おこぼれだったのだと。




ちなみに江藤さんは、



黒髪ストレートで色白、
目は切れ長の

和風美人だ。


成績も優秀。
運動神経も抜群。



比較的真面目グループに所属しているが、


チャラチャラ系ともちゃんと話せる、


正に『要領の良い』タイプで私とは正反対だ。



でも、中学時代の友人『祐子』とは違い

決してぶりっこでもなく、サバサバとクールで



特に目立つわけではないが、男女共に好かれていた。










そうなんだ。




やっぱり、みんな、こんな要領美人が好きなんだ。




誰も私の事など見てくれていないものだ。






駅の改札が、
涙でぼやけて定期も通せない。



あぁ、最悪。




「今度こそ、ブタ子の顔見なくて清々するぜ」


こんな時に限って、


私の横を
残酷鬼悪魔が友達と笑いながら自転車で通り過ぎる。



よくここまで嫌われたものだ。



『こんな惨めな時にまで、トドメを刺さなくてもいいじゃないか』



定期を持つ手が震える。



そういえば、紳士君のことを何となく気になりだしたのは



まだ一年の一学期、私が女子グループにも総スカンされ


残酷鬼悪魔にもボロクソに言われ始めた頃



当時、残酷鬼悪魔は、気弱な教師にも授業妨害をしたりして悪戯をしていた。



何も言えない教師に消しゴムを投げつけたり、

私物をこっそり壊していたのを、見るに見かねたのか



「ちょっと、お前酷過ぎやろ」


誰も刃向かう事のできないアイツに


正々堂々と言った。




少なからず、その時から


私は紳士君だけを頼りに


学校に通えた。



『きっと見てくれている人がいるはず』




それだけで、辞めずに




いや、死なずに頑張れたんだ。




何度、『死のう』『今日こそは死のう』

と思いながら生きた事か。


紳士君のお陰様で



『明日こそはきっと』

って信じて頑張れていたのに。




だけど、もう何もかも終わりだ。



そのたった一人の心の支えさえも


結局は要領美人しか見ていなかった。





私は不器用で、みんなに嫌われる勘違いなブス。



ただそれだけ。





もう、生きる必要もない。





きっと私なんて、生まれてきたのが間違いだったんだ。






神様は不公平だ。


何で私をこんな不細工に生まれさした上に
こんな苦労を背負わせるのか。




だから、私は自分でこんな辛い人生を終わらせよう。



『カンカンカンカン!』





右側からは特急列車が近付いてきた。

コンプレックスのかまたり20〜一発逆転〜

  • 2008/08/08(金) 22:03:12

教室前にある貼り紙を見て呟く。




『。。次は三組か』




今日はついにクラス替えだ。



教室で


『えーん〜。クラス離れ離れになっちゃったね』

『でもまたみんなで遊びに行こうね〜』


なんて上辺だけで友達ぶってる
女子グループたち。



一方、私は心配だった、あの男子いじめっ子ボスの残酷鬼悪魔とは
何とか、一緒にならず、ほっとしていた。。









だが。。。今日はクラス替えどころでなかった。



放課後、紳士君に呼び出されている。





「話がある」


そんな男前なセリフが
まさか自分のような落ちぶれた高校生活で言われると思っていなかった。



『もしかしたら、紳士君も実は残酷鬼悪魔たちとグルで私を馬鹿にしてたのか?』

とか
(ブス特有の被害妄想)

『でも、もしかしたら。。。実は両思い?』


とか

悪い事や良い事が次々と頭をよぎって落ち着かない。





それに、メールはしてても
実物に学校で会って話すなんて初めてだ。




『何か、付き合いたてのカップルみたい♪』



なんて一人ではしゃぎながら
他の生徒たちが通り過ぎる下駄箱で紳士君を待っていた。




そんな風に、一人、妄想に浸っていると




「やぁ、お疲れ」


同じく、恥ずかしそうに目をそらしながら紳士君登場。




「何組になったの?」



紳士君から私に質問とか初めてで嬉しかった。


「3組だよ。うちのクラスではね、田中さんと、江藤さんと一緒になったよ」


なんて、たわいもない話をずっとしながら



心では


『で、話って何なの?何?』


と叫んでいた。



でも、こういうたわいもない話をするのも何か幸せだ。





すごく会話も弾むし、楽しい。




だけど、早く紳士君の話したい事も聞きたい。





自分から呼び出したくせに、
何故か話をどんどんそらしていく彼が
段々もどかしく思えてきた。





「で、昨日言ってた話って何?」



痺れを切らしたのは私の方だった。





しばし無言で困る紳士君。






ドキドキが高鳴る私。






そして、急に真面目な表情に変わった紳士君が言った。





「。。。好きな人にうまく思いを伝えるにはどうしたらいいんだろう」






『え??何?これ、遠まわしの告白?』






ドキドキは最高潮に達した。





「え?好きな人って誰なの?」







『。。。実は。。





俺の目の前にいる人』








とか言われたらどうしようかと、


頭の中でグルグルグルグル。


『もう、早く私って言っちゃいなさいよ〜』


と思いながら悶々と待つが



紳士君は未だ無言のまま。



仕方がないので、紳士君が早く

『あなただよ』
って言いやすい環境にしてあげようと思い



クラスの女子を最初から言っていくことにした。
(そしたら最後に私が残ったところで。。。となるから)


それではまず、適当に第一発目


「ん〜、江藤さん?」





「。。。。。えっ




誰にも言わないでね」




顔を赤らめる紳士君。






何ということだ。



一発目で大当たりしてしまった。



驚きとショックをとにかく必死で隠したくて



「へぇ〜江藤さん、可愛いもんねぇ♪」



明るく振る舞う。


「うん」


『やっぱりお前も顔かっ!!』





心の中ではそう叫んでいた。





でも、嬉しそうにはにかむ時の紳士君の笑顔はあまりにも素敵で



今までよりさらに惚れてしまいそうだった。




「木村さんなら、信頼できそうだから、相談してみようと思って」






『そんなの困るよ!』




『え?』




『だって、私、私、あなたのことが好きなんだもん!』








なんて言えたらどれほど楽だっただろうか。



こんなストレートに可愛い事を言えない、不器用な私は




『うん!任せて!協力するよ』


と、笑顔で言うしかなかった。






紳士君と別れて、


一人歩き始めた途端に、大粒の涙が流れて止まらない。


一瞬でも勘違いしていた自分が恥ずかしい。









『私のバカ!!ブスのくせに期待なんかしちゃって』







自分で自分を殴りたかった。





やはり、不細工な私にはハッピーエンドなど

絶対に待っていないらしい。





一発逆転なんて

起こるわけがない

コンプレックスのかまたり19〜不器用なりの〜

  • 2008/08/06(水) 01:09:40

『聞いたどぉ〜!!紳士君のアドレス、聞けちゃったどぉ〜』


私は、人目もはばからず、ニヤニヤしながら下校していた。



少々、
いや、かなり強引ではあったが。。。





放課後、あっち系(どっち系だ)の女子や残酷鬼悪魔たちが部活へと去り


比較的真面目系だけしか残っていないのを見計らって


いざ、紳士君のもとへ。



『ゴクリ』


生唾を飲み込んで、席を立つ。


今日の放課後の事を想像するだけで、昨日は寝れなかった。



授業中もドキドキして、
待ち遠しいのやら、心臓に悪くて待ち遠しくないのやら


もう訳がわからなかった。




友達と話し終えて、一人になった紳士君に突進。




『あ、あっ、あのさぁ』

少し、声が裏返る。


「ん?」


『この前のスピーチ?の感想に、坂本君も映画が好きって書いてたじゃない?』


「あ、そういえば、そんなこと書いたっけな」


『で、キャストアウェイ?だっけ?あれ、私も偶然最近観たんだけどさぁ』
(必然だがね)


「お!あれ観たの?なかなか深くて面白かったよねぇ?」


『う、うん!最後は驚いたよねぇ』
(実は、途中寝てて最後しかちゃんと覚えていない)



「そうだよね〜!俺はもっと主人公には、%%$&#@@?+!だと思うんだよね〜」


(緊張し過ぎ&内容が高度でよく覚えていない)



『でさぁ、』
(はい、本題に入りますよ)



『これからも、映画の話とか色々したいから、アドレス教えて?』
(強引すぎる。唐突すぎる。)



「。。え?(汗)」
(そりゃ、驚くのも無理ない)




『なかなか映画好きの人って周りにいないんだよね』
(我ながら、無理矢理な言い訳)

「。。あ、あぁ。。じゃあ(苦笑)」






という感じで、躊躇しながら教えてくれたのである。






そして、現在、紳士君とのメールが5日目に突入した。




内容は、当たり障りのない

「どんな音楽が好き?」


とか、私からの質問ばかりで
(だって片思い中に色々聞きたいこと増えたから)

メールをするのも私の方からのみ。


どんなに空気が読めない私にだって、

『紳士君は私に興味が無い』

事くらい、何となく気付いた。



でも、良いんだ。



私はこの人のお陰様で学校を辞めずに頑張れたんだ。



友達ってだけで良いんだ。


メールだけでも、繋がりというものが持てて嬉しかった。


でも、日に日に紳士君も自分に親近感が湧いてきてくれたみたいで


段々口調も親しみやすくなってきた。




『そうだ。こうして友達からゆっくりと』




なんて、のんびりと幸せに浸っている時




初めて紳士君の方からメールがきて、
それだけでも嬉しくてドキドキしたのに



「今日、放課後話があるんだ」



なんて呼び出しされちゃったものだから


私は期待してしまったわけで。。。

コンプレックスのかまたり18〜不器用ブスの捨て身大作戦〜

  • 2008/08/05(火) 00:57:40

あと一週間で紳士君と友達になる大作戦。




まずは、
『彼が薦めてくれた映画を観て
感想を語ろう作戦』
開始っ



しかも、今日は木曜日。
今日映画をレンタルして、明日までに感想を言わないと

もう土日を挟んでしまうから、また長引いてしまう。


勝負は早速、今日なのだ。



放課後、ダッシュで
まず、駅近くの大手レンタル店へ到着。



し、。。。しまった!


今日は100円キャンペーンだった!


お目当ての映画は、
吹き替え版含めて全て、借りられてなかった。



次は、隣の駅のレンタル店へとダッシュ。


『キャストアウェイ。。。き、き、き。。。』


あ、あった!




そして、カゴに入れようとすると


何か軽い。。。



よく見ると、ケースのみで
ここの店でも全て借りられていて、無かった。
(当時は新作だった)






『きっと、神様が、やめときなさいって言ってるんだろう』



そうだ。きっと、そういう運命なんだ。




そう思って、トボトボと店を出ようとした。




その瞬間、

偶然目に入ったのは
入り口の

『返却棚』



そして、とりあえずダメ元で探してみた。


『きゃ、きゃ、きゃあ!ある!』



棚に山積みされた、返却されたてホヤホヤビデオの中に

一個だけ光る

『キャストアウェイ』

の文字。



もう、日本語吹き替え版だとか気にしない。



何より、やっぱり

『そうだ!頑張りなさい』


って、神様が後押ししてくれているようで嬉しかった。



図々しく、運命まで感じてしまった。



脳天気な私は
帰り道、すれ違う全てが
自分を祝福してくれる花道のように感じた。



帰宅後、早速鑑賞すると


案外自分には難しい内容で




『あれ?これって、さらっと話しかけて一言で済ませられるような内容じゃない。。。』



と、あたふたしていた。




でも、ツベコベ言ってなんかいられない。


もう時間が無いんだ。



「『卒業するまでに一言話す』
が目標だった、
臆病な私、

明日、私は頑張ってみせるからね!」




そうだ。


これは、自分への挑戦でもあるんだ。



これできっと私自信も変われる。

上手くいけば、人間関係も変われるかもしれない。




そう期待して、
成功するように願掛けをしたのだった。